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法コラム

家主と地主×弁護士法人法律事務所オーセンス

家主と地主 第8回第43号

不動産業者任せが招くトラブル

賃貸マンションやアパートの家主さんは、入居者の募集、賃貸契約の仲介(法律上、「媒介」といいます)、物件の管理について、それぞれの業務を不動産業者(法律上、「宅地建物取引業者」といいます)に任せていることが多いでしょう。

今回は、大家さんと不動産業者との間に発生する法律問題について事例付きで説明していきます。

事例1

相談

不動産業者が信用できない!

ついに念願の家主になりました。物件の仲介と管理をどの不動産業者にお願いするか考えたのですが、「私に仲介と管理を任せて頂ければ常時空室率10%未満で維持することができます」と言う不動産業者が現れたのでお願いすることにしました。しかし、この不動産業者は、物件への入居希望者がいるか確認するために電話をしてもほとんど出ないし、たまにつながったかと思えば、「すぐに埋まるからゆっくりお待ちください」と繰り返すばかりで、いっこうに物件に入居者が入る気配がありません。こうなると、もう信用できなくなってきました。

不動産業者として業務を行うには免許が必要になると思いますが、どのように調べたらいいのでしょう?

回答

宅地建物取引業者名簿を確認しましょう

不動産業(宅地建物取引業)を行うには、その事務所所在地を管轄する都道府県知事または国土交通大臣(後者は2つ以上の都道府県に事務所を置く場合)の免許を受けなければなりません(宅地建物取引業法3条1項)。

つまり、この許可を得なければ、不動産売買・賃貸の仲介や管理をすることができないのです。

免許を取得した業者かどうかは、宅地建物取引業者名簿(免許証番号、事務所の所在地、役員などの氏名、過去に行政処分を受けた場合にはその内容等が記載された名簿)により確認することができます。

よって事例の場合にも、免許業者かどうかは、管轄する都道府県の担当課に設置されている宅地建物取引業者名簿で確認しましょう。

なお、業者を選ぶ基準としては、規模も重要ですが、何より信頼性を重要すべきでしょう。「過去に宅地建物業法に関連する行政処分を受けたことがないか」、「会社の名前や本社の住所、役員などが頻繁に変わっていないか」、「他の家主さん、管理物件の入居者、管理物件の近隣住民とトラブルがないか」などが参考になります。

事例2

相談

他の不動産業者にも入居者探しをお願いしたい!

現在、不動産業者Aさんに不動産の仲介を依頼していますが、入居希望者との交渉力に不安があり、せっかく入居を希望してくれる方がいても物件のメリットをうまく伝えきれず、なかなか契約に至りません。

そこで、空室率が低いと評判の不動産業者Bさんにも依頼して入居者を募集してもらおうと思うのですが、Aさんと契約しつつBさんにも依頼できるのでしょうか?

回答

まずはAさんとの契約内容を確認しましょう。
Aさんとの間の契約が一般媒介契約であれば、同時にBさんにも依頼することができます。

大家さんと不動産業者との関係は、物件の賃貸の仲介に関しては媒介契約(もしくは代理契約)、その後の物件の管理に関しては管理委託契約となります。媒介契約と管理委託契約を同じ不動産業者と結ぶか、それぞれ別々の不動産業者と契約するかは大家さんの自由です。

このうち、媒介契約については、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。一般媒介契約とは、依頼した不動産業者以外の業者にも重ねて媒介を依頼できる契約をいいます。これに対して、専任媒介契約、専属専任媒介契約は、依頼した不動産業者以外の業者に対して媒介の依頼ができません。

よって、事例の場合にも、不動産業者Aとの間の契約が一般媒介契約の場合には不動産業者Bに対しても媒介を依頼できますが、専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合には、不動産業者Bに依頼することはできません。

なお、専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、前者が、入居者の募集を大家さん自身が行うことができるというものであるのに対し、後者が入居者の募集を大家さん自身も行えないという点にあります。

事例3

相談

不動産業者が違法行為をしている!

物件の管理を依頼している不動産業者が、家賃を支払わない入居者を部屋から締め出すため、部屋の中に入り、荷物を勝手に処分したようです。私はこのことをすぐに認識しましたが、家賃を支払わない入居者が悪いのだと思い、黙認していました。この場合、もし入居者が大家である私に対して損害賠償請求してきたとしても、不動産業者が勝手にやっていることですし損害を賠償する義務を負わないですよね?

回答

損害を賠償する義務を負う可能性があります。

そもそも、事例のように不動産業者の行為は、刑法上、住居不法侵入罪や器物損壊罪にあたる可能性があります。また、民法上も、不動産業者は損害賠償義務を負う可能性があります。

不動産業者が損害賠償義務を負う場合、不動産業者が勝手に違法行為をやっていたのだとしても、大家さんも損害賠償義務を負う可能性があります。具体的には、不動産業者に対して荷物の処分を依頼したり、不動産業者が荷物の処分をしたりしているのを知りながら放置したような場合です。

事例の場合にも、鍵を無断で替えたことをすぐに認識していたものの、家賃を支払わない入居者が悪いのだと思って黙認していたということであれば、大家さん自身が損害賠償義務を負う可能性があります。

まとめ

以上のように、大家さんと不動産業者との間に発生する様々な法律問題について説明しましたが、常に気をつけなければならないことは、すべてを不動産業者任せにしないようにするということです。

賃貸物件は大事な資産ですから、「業者に依頼したからもう安心」ではなく、その現状を常に自身でチェックすべきです。入居希望者はどのくらいいるか、入居者と不動産業者との間にトラブルはないか、物件の清掃や保守管理の状況はどうかなど、業者の報告を鵜呑みにせずに、ご自身で確認してください。

不動産業者と良好な関係を築くためには、業者任せはかえって禁物です。

契約期間終了前に不動産業者との契約を終わらせることができる?

「不動産業者が家賃を支払わない入居者に対して鍵の変更、ドアに『出て行け』という張り紙をするなどの違法行為を行っている!」 「不動産業者が入居者から受け取った家賃を大家である私に支払わずに勝手に自身の資金繰りに流用している!」

などの事情により、大家さんとして、「不動産業者を変えたい!」と希望されることもあるでしょう。この場合、たとえ契約期間が残っていても、不動産業者との契約を終了することができるでしょうか?

業者に契約違反がある場合、もしくは信頼関係を損なう行為が行われた場合、契約を解除することによって契約を終了することができる場合があります。

なお、契約違反等がなくとも、媒介や管理を委任する契約は、契約上特別の定めがなければいつでも解約することができます(民法651条1項)。もっともこの場合、不動産業者側に損害が発生した際にはその損害を賠償しなければなりません(民法651条2項)。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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セミナー実績

  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士、嶋田葉月弁護士
  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部多摩北支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士
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    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」竹中恵弁護士、嶋田葉月弁護士
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