文字サイズ
無料相談のお問合せはこちら

全国対応 | 24H受付 | 土日も相談可能
初回60分まで無料法律相談実施中!

法コラム

家主と地主×弁護士法人法律事務所オーセンス

家主と地主 第11回第46号

サブリース契約で発生する問題の防止策

法律事務所オーセンスへは、家主さんからサブリース契約に関する数々の法律相談が寄せられます。

今回は、サブリース契約の場合に発生する法律問題について事例付きで説明していきます。

事例1

期間満了に伴い、更新を拒絶できるか

私は、所有している土地の上に建物を建設し、その建物を懇意にしているA社に一括して賃貸しています。A社は、様々なテナントを建物に入居させ、賃料収入を得ています。私としても毎月一定額の賃料が確実に入ってくるのでメリットがあったのですが、最近、A社の信用性に不安を覚えるようになり、次回の更新時にサブリース契約を期間満了により終了したいと思っていますが、A社は更新を希望しています。サブリース契約は、期間満了に伴い終了するのでしょうか?

回答

サブリース会社が同意しないと正当事由が必要となる

サブリース契約が期間満了になったとしても、当然に契約が終了するわけではありません。A社が契約終了に同意しない場合に更新を拒絶するには、正当事由が必要となります。

解説

通常の賃貸借契約同様、借地借家法28条適用

不動産管理会社等が、転貸を目的として所有者から建物を借り上げる契約のことを、サブリース契約といいます。

空室対策目的などによるサブリース契約の増加に伴い、所有者とサブリース会社でトラブルが発生するケースが増えています。

今回の事例のように、所有者がサブリース契約を期間満了により終了させたいと思っているにもかかわらず、サブリース会社が応じてくれないというのもトラブルの1つです。

ここで問題となるのは、①サブリース契約にも借地借家法が適用されるのかという点と、②借地借家法が適用される結果として更新拒絶には正当事由が必要となるがその判断基準は通常の賃貸借契約と同様であるかという点です。

①②の点について参考になるのが、サブリース契約が期間満了により終了するかどうかが争われた裁判例(東京地裁平成24年1月20日判決)です。

これは、所有者がサブリース契約の更新を拒絶して、期間満了によるサブリース契約の終了を主張したのに対し、サブリース会社は当該更新拒絶には正当事由がないとしてサブリース契約の終了を争った事案です。

まず、前提として借地借家法上、正当事由がない限り更新拒絶は認められず、期間満了によっても賃貸借契約は終了しないとされています(借地借家法28条)。この場合、賃貸借契約は期間の定めがないものとして存続することになります(同法26条1項)。正当事由の有無の判断においては、当事者双方の使用の必要性に関する事情が最も重要な要素とされ、その他の立退料の提供の申出等は従たる要素として考慮されるにすぎません。

そして、①の点につき、裁判所は、サブリース契約にも借地借家法の適用があり、正当事由なしに更新拒絶はできないと判断しました。なお、最高裁平成15年10月21日判決でもサブリース契約に借地借家法の適用があると判断されており、今後もサブリース契約に借地借家法が適用されるとする裁判例が続くだろうと予想されます。

その上で、②の点につき、裁判所は、本件の事案においては、サブリース会社が建物を使用する必要性に比べて、所有者が建物を使用する必要性は低いといえるから、立退料の申し出等の事情を考慮しても所有者による更新拒絶に正当事由があるとはいえないと判断し、期間満了によるサブリース契約の終了を認めませんでした。裁判所が、更新拒絶の有無の判断にあたり、サブリース契約であっても通常の賃貸借契約と同様の判断基準を採用している点は実務上重要です。

この裁判例を参考にすると、事例の場合でも、正当事由がない限り、更新拒絶によりサブリース契約を終了させることは難しいと考えられます。サブリース会社の信用性に不安がある等の理由から、期間満了でサブリース契約を終了させたいと考えた場合、サブリース契約をあらかじめ定期借家契約にしておく等の対策をしておいた方がよいでしょう。

事例2

担当者との不仲を理由に契約満了前に解約できるか

私は、所有している土地の上に建物を建設し、その建物をB社に一括して賃貸しています。B社は、様々なテナントを建物に入居させ、賃料収入を得ています。最近、B社の担当者と不仲になり、3年の契約期間満了まであと2年あるのですが、期間満了前に解約を申入れ、サブリース契約を終了したいと思っています。サブリース契約は、解約申入れにより終了させることができますか?

回答

中途解約条項がない限り、解約申し入れにより終了できない

中途解約条項がない限り、契約期間中に解約申入れによりサブリース契約を終了させることはできないと考えられます。

解説

期間の定めある契約は、期間を遵守しなければいけない

事例2は、所有者が解約の申入れをすることで、サブリース契約を契約期間中に終了させることができるかという問題です。

結論としては、中途解約条項がない限り、解約の申入れによりサブリース契約を終了させることはできないと考えられます。サブリース契約も賃貸借契約であると考えられる以上、期間の定めのある賃貸借契約については、その期間を遵守しなければならないので、その期間満了前の解約は認められません。事例1のように、期間満了を待って更新拒絶により契約を終了するということになります。

ただし、中途解約条項が付されている場合には、解約の申入れによりサブリース契約を終了させることができる可能性があります。もっとも、中途解約条項に基づく解約申入れの場合にも更新拒絶の場合と同様、正当事由が必要であると考えられます。なお、中途解約をする場合には違約金を支払わなければならない旨の条項が定められていることも多いので、注意が必要です。

事例3

解約後に入居者情報の公開を拒否された

サブリース契約を解約後に、私がサブリース会社に対し入居者情報の提供を求めたところ、開示を拒否されました。入居者情報を知るためには、どのような方法があるでしょうか。また、入居者情報を把握しておくために事前にしておくべきことはなんでしょうか。

回答

入居者に対し照会状を交付し記載してもらう

入居者との間で新たに賃貸借契約書を作成する方法や、入居者に対し照会状を交付し記載してもらう方法等が考えられます。もっとも、サブリース契約書の中にサブリース会社が入居者の概要や転貸の状況を所有者に報告する旨の条項を入れる等により入居者情報が把握できないという状況を予防することが大切です。

解説

サブリース契約書に入居者情報の提供を明記

サブリース契約が終了した後、入居者の情報が分からないという事態にならないよう、あらかじめサブリース契約の中に、サブリース会社が所有者に対し入居者の情報を定期的に報告する旨の条項を入れておくことが大切です。

このような条項がない場合、入居者情報の開示を拒否しているサブリース会社に開示を強制することは難しいと考えられます。この場合、賃貸人が変更した旨を入居者に伝え、新たに賃貸借契約書を作成し入居者情報を取得したり、個別に照会状を渡して記載してもらうなど個別に入居者情報を収集せざるを得なくなる可能性があります。

したがって、サブリース契約を締結する際は、入居者の情報を把握できるような条項があるか否かについて、あらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

プロフィール

バッグナンバー


セミナー実績

  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士、嶋田葉月弁護士
  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部多摩北支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士
  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」竹中恵弁護士、嶋田葉月弁護士
詳しく見る
tel:0120-888-737 お問合せはこちら
無料相談のお問合せはこちら

全国対応 | 24H受付 | 土日も相談可能
初回60分まで無料法律相談実施中!