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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第5回第939号

即契約解除は難しい特約違反 賃貸トラブル②

-- 注意した事実を記録して残すことが重要

今回の事例として入居制限の特約違反を取り上げたいと思います。

賃貸借契約書の特約で、「許可なく第三者を同居させてはならない」というように入居者を限定していたところ、その指定した入居者以外の者が、許可なく同居している場合にどのような対応をとれるでしょうか。単身用の部屋に複数名が居住している場合、部屋が通常より傷つけられやすく、また、複数名の発する騒音で近隣に迷惑をかけることになりかねません。

このような問題を防ぐために通常、賃貸借契約書に「賃借人限り」などの居住する人数について制限する条項を設けます。もし規定した者以外が住んでいれば、契約義務違反に基づき賃貸借契約を解除し退去を求めるわけですが、気をつけていただきたいのが、このような契約義務違反があっても、即契約を解除できるというわけではないということです。賃貸借契約のような継続的な契約関係においては、賃借人に契約義務違反があっても、その契約義務違反が賃貸人に対する信頼関係を破壊するに至る程度のものでなければ、解除権の行使は認められないというのが判例法理です。例えば、賃借人が家族や恋人を同居させていたとしても賃借人が部屋の使用保管に関し、全般的に管理支配を及ぼしており今までと比べて家主にとって信頼関係を破壊する程度の用法変更とはいえない場合は、家主の解除権は制約されるものと考えられます。よって、賃借人が誰かを同居させたとしてもこの者たちが、従前と変わらず通常の使用方法で利用している限り、信頼関係が破壊されたとまではいえないため家主は本件により賃貸借契約を解除することは難しいといえます。

入居制限特約自体は同居人の追加変更により予期せぬ用法変更による家主の被害を防ぐという意味で合理性を有し、有効な特約である考えられますが、実際に特約に基づいて賃貸借契約を解除するには、例えば複数の者が多数同居し、近隣住民に騒音等で迷惑をかけているような場合で、かつ、家主からの度重なる注意にもかかわらず改善されないようなときに限定されると考えられます。

しかし、今すぐ賃貸借契約を解除できないとしても、賃借人に対してきちんと是正を求めるべきだと考えます。理由は、小さな契約違反を見過ごすことは、その後に大きな契約違反を生じさせる恐れがあるからです。仮に本件のような入居制限特約違反自体で契約解除できなくても後に別の契約違反(騒音やペット飼育など)が見つかったとき、それぞれ単独では解除できないような小さな違反だとしても複数の違反の事実とそれについて注意を行なっても改善されなかった経緯があれば信頼関係が破壊されていると評価され契約解除が認められることもあるからです。よって、小さな契約義務違反でもきちんと是正を求めるべきで、また後々の争いに備え書面等で注意を行なった記録を残しておくべきでしょう。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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