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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第7回第948号

相続人が複数いたため訴訟が2カ月遅れる 賃貸トラブル④

-- 事前に遺産分割を協議し訴訟起こせる準備整え

前回、大家さんに気をつけていただきたいこととして、明渡し訴訟手続きがすぐに行なえないケースを紹介しました。例として賃貸人が高度の認知症と診断された場合、たとえ、賃借人が契約違反を行なっているとしても当該賃貸人では、すぐに有効な訴えを起こすことができないというケースです。

今回は、賃貸借契約上の賃貸人が既に亡くなられているケースを紹介します。例として、父親が賃貸人として賃貸業を行なっていたが、その父親が亡くなってしまったため、長男がその賃貸物件を管理していた場合を考えてみます。父親の死亡後、不運にもその賃貸物件に家賃を滞納し、かつ退去にも応じようとしない賃借人が現れてしまいました。そこでこの長男は弁護士に明渡し訴訟を依頼しました。しかし、長男には他に2人の兄弟がおり、2人とも海外で居住している事実が判明しました。母親は既に他界しており、戸籍を確認しても他に相続人となるものがいなかったため、この兄弟3人が法定相続人となります。

問題は、明渡し訴訟の前提となる賃貸借契約の解除の方法です。判例上、賃貸借契約の解除は、建物の共有持分の過半数をもって行う必要があると判断されています。本件の場合、遺言もなく、相続人同士での取り決めも無かったことから、各兄弟は、それぞれ1/3づつの共有持分権を有していると考えられます。そのため最低でも2人の兄弟で賃貸借契約の解除を行なわなければなりません。当然、弁護士としても最低でも2人からの委任状が無くては、賃貸借契約を解除して明渡し訴訟手続きを進めることができません。ところが、長男以外の兄弟は、海外に居住していたため、長男が連絡を取って委任状を取得するまで2ヶ月ほどかかってしまいました。本来なら弁護士は、賃貸人から明渡し訴訟の依頼を受けたら、すぐに賃貸借契約解除を行なったうえで、裁判所に提訴を行なうわけですが、本件の場合、約2ヶ月も提訴時期が遅れてしまい、結果、明渡しが実現する日もその分遅れてしまったわけです。

未然にこのような事態を防止する方法としては、賃貸経営を長男が継続的に行なう予定があるのであれば、兄弟全員で遺産分割について協議し、当該賃貸物件の所有者を長男のみにしておくことが有効だと考えられます。相続に関する問題はほったらかしにされがちですが、こと賃貸物件に関しては、あらゆる賃貸トラブルに備え、賃貸人が、すぐに訴えを起こせる状態にしておくべきだと考えます。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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