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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第8回第952号

雨漏り修繕を理由に家賃を払わない滞納者

-- 事実関係を調べた上で相殺は可能

悪質な家賃滞納に対しては、賃貸借契約を解除し明け渡し訴訟を行います。その際に、入居者が「天井の雨漏り修繕に20万円支払ったのだから、滞納家賃は支払わない、相殺だ」などと主張してくるケースがまれにあります。このように実際にオーナーが負担すべき建物の修繕費を入居者が負担している場合、滞納家賃と相殺が可能です。

建物修繕費の負担に関しては、民法上で賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕を行なわなければならないと規定されています(民法606条1項)。修繕に関する特約を設けておらず、賃借人に故意・過失がない場合には、賃貸人が修繕義務を負うことになります。さらに民法では、賃貸人が負担すべき躯体修繕や設備の故障などの必要費用を賃借人が負担した場合、賃貸人に対して直ちにその費用の償還を請求できる規定されています(民法608条1項)。したがって賃借人である入居者は、修繕費と滞納家賃の相殺を主張することが可能です。たとえ訴訟の場で相殺の意思表示をした場合でも、相殺可能な状態になった時点まで遡って生じます(民法506条2項)。つまり、滞納家賃を過去に遡って入居者が負担した修繕費と相殺することになります。

入居者からの主張には2通りあり、滞納家賃の言い訳に「修繕をした」と主張してくる場合と本当に管理会社やオーナーに知らせずに建物修繕を行った場合があります。前者の言い訳に修繕をしたという主張では、金額がでたらめでうやむやになるケースが多いです。後者の修繕を実際に行った場合でも、領収書がない場合があるので、事実関係をしっかりと把握することが重要です。

ところで、入居者がこのような訴えを起こした場合、賃貸借契約解除の有効性は、入居者が相殺の意思表示をしたのが解除前か後かによって大きく変わります。

※解除前…解除原因である滞納家賃が修繕費負担と相殺されて消滅しているので、解除は無効。

※解除後…滞納家賃が過去に遡って消滅したとしても、解除の効力を無効にすることはできない(最高裁昭和32年4月5日)。

注意点は、相殺しても修繕費が多く残ってしまう場合、賃借人は修繕費の弁済を受けるまで建物を明け渡さないと主張できることです(留置権、民法295条1項)。契約解除が有効でも、入居者が滞納家賃よりも多く負担している修繕費をオーナーが支払わないと明け渡しが実現できないこともあります。

今回の事例の場合には、オーナーはこれらの点を踏まえて入居者と交渉する必要があります。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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