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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第9回第956号

敷金を楯に解除無効を主張する入居者

-- 入居中での敷金と滞納家賃との相殺は法律上根拠なし

入居者が「家賃滞納は3ヶ月分でも、敷金を2ヶ月分預けているから、家賃滞納は実質1ヶ月分しかなく、契約解除は無効だ」と主張してくるケースがあります。

前回、滞納家賃と修繕費用との相殺を主張する入居者のケースを取り上げましたが、同じように明渡し訴訟を行なっていると敷金との相殺を主張し解除は無効だとする入居者もいます。

また、明渡し訴訟でなくとも家主が、滞納家賃の督促を行っていると入居者から「敷金を預けているのだから督促することは違法だ」といわれるケースも稀にあると聞きます。

今回は、このような主張に対し、どのような対応すべきかについて、ご説明したいと思います。

そもそも相殺とは、互いの債務同士を打ち消し、消滅させることです。本件の場合、入居者の家主に対する家賃支払債務と、家主の入居者に対する敷金返還債務を相殺するということになりますが、相殺の条件として、互いの債務の弁済期が、それぞれ到来している状態(相殺適状)である必要があります。

家賃支払債務は、賃貸借契約で定めている支払日を経過していれば弁済期が到来しているといえます。ところが、敷金返還債務は、賃貸借契約が終了して、入居者が退去した後に発生するものです。最高裁の判例でも、「敷金は、賃貸借終了後、家屋明渡義務履行までに生ずる賃料相当の損害金の債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を担保するものであるから、敷金返還請求権は、家屋明渡完了時にそれまでに生じた被担保債権を控除してなお残額がある場合にその残額について発生する」(最判昭和48年2月2日民集27巻1号80貢)としています。

つまり、入居者は、自らが退去した後に初めて、預けている敷金と滞納家賃との相殺を主張できるのです。

したがって、入居者が、現在入居中であるにもかかわらず、預けている敷金額分までは滞納してもよいと主張しているのであれば、それは法律上まったく根拠のないものであり、家主として滞納家賃を督促することはもちろん可能ですし、場合によっては、賃料不払いによる解除を行うことも可能になります。

もし退去していない入居者から、預けている敷金を滞納家賃に充当したので自分には滞納家賃がないと主張された場合には、先ほど述べた理由から、そのような主張ができないことを明確に伝え、賃料不払いによる解除を行うことも視野に入れて、毅然とした対応をする必要があるでしょう。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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