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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第17回第990号

消費者契約法10条に違反しない契約自由の原則が重視される結果に

-- 敷引特約は賃借人同意なら有効

平成23年7月、賃貸人にとって有利といえる判決が立て続けに下されました。

一つは「敷引特約を原則として有効とする判決」、もう一つは「更新料特約を原則として有効とする判決」です。

今回は「敷引特約を有効とする判決」について取り上げます。

敷引特約とは、賃借人が退去する際に、無条件に賃貸人が敷金または保証金から一定金額を取得すると定めた特約をいいます。

裁判では、このような敷引特約が消費者契約法10条に違反するのではないかが争われていました。

そもそも消費者契約法とは、契約関係に不慣れな消費者(賃貸借契約においては借主)と経験豊富な事業者(賃貸借契約においては貸主)との間に実力差があることが一般的であることから、消費者にとって不利益な契約が結ばれることを防止しこれにより消費者を保護することを目的とした法律です。

そして消費者契約法10条は、(1)民法や商法といった法律で定められている内容とくらべて消費者に不利な契約条項で、(2)契約関係は信頼と誠実を基本とするべきだという「信義誠実の原則」に反するような、消費者の利益を一方的に害する契約条項は、無効になると定めています。

賃借人側としては、退出時に無条件に敷金から一定金額を差し引くことになる敷引特約は、消費者の利益を一方的に害するものであるとして、消費者契約法10条に違反し無効ではないか、と主張していました。

この点について最高裁判所は、敷金について、「その全部ないし一部が建物の明渡し後も返還されない旨の契約条件が契約書に明記されていれば、賃貸借契約の締結に当たって、当該契約によって自らが負うこととなる金銭的な負担を明確に認識した上,複数の賃貸物件の契約条件を比較検討して、自らにとってより有利な物件を選択することができるものと考えられる。」として、賃借人に選択権があることを指摘しました。その上で、そのような選択肢があることを賃借人が明確に認識した上で賃貸借契約の締結に至ったのであれば、「敷引金の額が賃料の額等に照らし高額に過ぎるなどの事情があれば格別、そうでない限り、これが信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものということはできない(最高裁平成21年(受)第16- 5 -79号同23年3月24日第一小法廷判決・民集65巻2号登載予定参照)。」として、敷引特約も原則として有効であるという判断を下しました。

このように、敷引特約は原則として有効、という賃貸人にとって有利な判決が下されました。これは、消費者保護よりも契約条件は契約者同士が自由に定めることができるという契約自由の原則という民法の原則が重視されたためだといえます。次回詳しく取り上げます。

執筆者

森田 雅也 弁護士

森田 雅也 弁護士(東京弁護士会所属)

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