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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第21回第1008号

告知義務怠ると契約取消しされることも事件発生後2~3年がひとつの目安

-- 前の入居者が自殺してしまった場合の告知義務について

家主さんから、「前に住んでいた入居者が部屋で自殺してしまいました。この場合、新たな入居希望者に対して自殺があったことを告知しなければならないのでしょうか?また、告知しなければならない場合、自殺後ずっと告知しなければならないのでしょうか?」という相談を受けることがあります。

前の入居者が自殺したという事実については、家主さんは、自殺後間もない時期に新たに賃貸する場合、入居希望者に対してその事実を告知する義務があります。もし告知しなければ、告知義務を怠ったことが詐欺にあたるとして、入居者は賃貸借契約を取り消すことができる可能性があります(民法96条1項)。また、入居者は錯誤を理由に賃貸借契約の無効を主張できる可能性もあります(民法95条)。なお、これらの場合には、入居者は家主さんに対し、引っ越し費用等の損害賠償を請求することができます。また、場合によっては慰謝料の請求をすることができます。

もっとも、自殺があった物件について物件が存在する限りずっと告知義務が残るとすると、家主さんにとって大きな負担となります。また、自殺事故による心理的な嫌悪感は、時間の経過とともに薄まっていくといえます。

そのため、自殺事件が起こった場合の告知義務は限られています。その期間は、自殺事故の状況、自殺があった物件の場所、物件の使用状況など様々な事情を考慮して決まるとされています。

裁判例では、大都市部の物件で(単身用で賃料6万円のワンルーム)入居者が自殺した事例において、近所付き合いが少なく、また、その自殺事故が世間的に大きく取り上げられたという事情もないとして、自殺後、自殺した部屋の賃料の減額を3年間だけ認めたものがあります(東京地裁平成19年8月10日判決)。この裁判例は、直接的に告知義務の存続期間について明示したものではありませんが、認定された賃料の減額期間からすると、告知義務が自殺後3年間に限られることを前提にしていると考えられます。

また、この裁判例は、自殺後に最初に賃借した人がごく短期間で退去したといった特段の事情がない場合には、さらに自殺した部屋を賃貸するにあたり、賃借希望者に対して自殺事故があったことを告知する義務はないとしています。

なお、家主さんが家賃を減額しなければならない期間としては、裁判例ではおおむね2〜3年程度とされています。もっとも、賃料を減額せざるを得なくなったことにより発生した損害については、入居者の相続人及び連帯保証人に対して損害賠償請求できる可能性があります。

詳しくは弁護士に相談されるとよいでしょう。

執筆者

森田 雅也 弁護士

森田 雅也 弁護士(東京弁護士会所属)

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