文字サイズ
無料相談のお問合せはこちら

全国対応 | 24H受付 | 土日も相談可能
初回60分まで無料法律相談実施中!

法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第30回第1045号

賃借人の破産を理由に解除はできないが賃料の不払いを理由とする解除は可能

賃貸借契約は、長期間にわたる継続的契約ですので、賃貸借契約期間中に賃借人が破産してしまうという事例も良く耳にします。

では、賃貸借契約期間中に賃借人が破産してしまった場合、賃貸借契約はどうなってしまうのでしょうか。今回は、賃借人が個人の場合を想定し、賃貸人の立場から考えてみたいと思います。

まず、賃借人が破産したからといって、賃貸借契約は、当然に終了するわけではありません。破産免責の効果は、主に、破産者が負っている金銭債務の弁済を免除する点にあるからです。

それでは、賃貸人は、賃借人が破産したことを理由として、賃貸借契約を解除することができるのでしょうか。この点について、旧民法では、第621条が、賃借人が破産した場合、賃貸人から解約の申し入れができると定めていたのですが、その後、同条が削除されたことに伴い、現在では、賃貸人から解除することはできなくなりました。

では、賃貸借契約書に、「賃貸人は、賃借人が破産したときは賃貸借契約を解除できる」といった、賃借人が破産したことを解除事由とするという内容の特約が定められている場合はどうでしょうか。

この点について、最高裁昭和43年11月21日判決は、「建物の賃借人が差押を受け、または破産宣告の申立を受けたときは、賃貸人は直ちに賃貸借契約を解除することができる旨の特約は、賃貸人の解約を制限する借家法1条の2(現借地借家法28条)の規定の趣旨に反し、賃借人に不利なものであるから同法6条(現借地借家法30条)により無効である」と述べています。

したがって、仮に、賃貸借契約書に、「賃貸人は、賃借人が破産したときは賃貸借契約を解除できる」という内容の特約が記載されている場合でも、この特約は無効と判断され、賃貸人は賃貸借契約を解除できない可能性が高いといえます。

このように、原則として、賃貸人が賃借人の破産のみを原因として賃貸借契約を解除することはできません。

もっとも、賃貸人として、とり得る手段がないわけではありません。賃借人が破産せざるを得ないような状況の場合、現実的には、賃料を数カ月にわたり滞納しているケースが多いと思われます。このような場合、賃借人が破産したことのみを理由として解除することはできませんが、賃料の不払いを理由とする解除の余地は十分にあります。

破産して今後の賃料支払いも不安定が予想される賃借人に物件を貸し続けることを望まない賃貸人としては、通常の賃料不払いを理由とする解除をする場合と同様に、一定程度の賃料の滞納(裁判実務上、一般的には、賃料3か月分程度の滞納が目安とされています。)が生じた段階で、迅速に賃貸借契約を解除し、物件の明渡を求めることが重要です。

執筆者

森田 雅也 弁護士

森田 雅也 弁護士(東京弁護士会所属)

プロフィール

バッグナンバー


セミナー実績

  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士、嶋田葉月弁護士
  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部多摩北支部「不動産街頭無料相談会」森田雅也弁護士
  • 不動産街頭無料相談会
    公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城南支部「不動産街頭無料相談会」竹中恵弁護士、嶋田葉月弁護士
詳しく見る
tel:0120-888-737 お問合せはこちら
無料相談のお問合せはこちら

全国対応 | 24H受付 | 土日も相談可能
初回60分まで無料法律相談実施中!