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法コラム

全国賃貸住宅新聞エクスプレス×弁護士法人法律事務所オーセンス

全国賃貸住宅新聞 第33回第1058号

原賃貸借契約が更新拒否されてもサブリース転借人は使用継続できる

不動産会社が建物一棟を所有者から一括借り上げし、これを転貸する事業が広く行われています。いわゆるサブリースという契約形態です。サブリースでは、物件の賃貸・管理のノウハウをもった不動産会社が、転貸して収益を上げる目的で不動産を有効活用したい所有者から一括借り上げし、所有者に対しては賃料保証をするのが一般的です。

ところが当初の見込みに反して収益が上がらない等の事情で、不動産会社がサブリースから撤退することがあります。この際不動産会社は、合意解除したり更新拒絶したりして所有者との間の賃貸借契約を終了することになります。ではこの場合、前提となる賃貸借契約が終了してしまった転借人は、物件を引き続き使用できるのでしょうか。

一般的に、賃貸人の承諾を受けて適法に行われた転貸借について、もとの賃貸借契約が終了した場合、転借人は物件を引き続き使用できないのが原則とされています。転借人が物件を利用する権利は、賃貸借契約の存在を前提にしていますので、賃貸借契約が消滅すれば転借人のその権利は基礎を失うからです。もっとも転借人が保護されるべき事情があるときには、転借人が物件を引き続き使用することが認められる場合があります。たとえば、賃貸借契約が賃料不払い等の債務不履行により解除された場合には、原則どおり転借人は物件を使用できなくなります。これはサブリースでも同様です。賃貸人は転貸借を承諾していますが、これはあくまで信頼関係にもとづいた賃貸借契約を前提としたもので、賃借人も、債務不履行によってこの信頼関係が失われた場合についてまで、転借する権利があると期待すべきではありません。

一方、賃貸借契約が合意解除された場合には、上記と異なり、特段の事情のない限り、転借人は物件を引き続き使用できます。転貸借を承諾したことと矛盾する賃貸人の行動によって、転借人の権利は失われるべきではないからです。サブリースから不動産会社が撤退する際も、合意解除による場合はこの点に注意が必要です。

さらに、賃貸借契約が賃借人に更新拒絶されて終了した場合、通常、転借人は物件を使用できなくなります。なぜなら、賃借人の意向のみによる更新拒絶について賃貸人は防ぎようがなく、また賃貸人から転貸借の承諾を受けたとしても、このような場合についてまで了解を得たとは通常考えられないからです。ところがサブリースの場合は事情が異なります。サブリースにおいて賃貸人は、そもそも賃借人のノウハウを利用して安定的な賃料収入を得る目的で物件を賃貸しており、当初から転貸借を予定しています。一方転借人は、これらの事情のもと、転貸借が承諾される前提で転貸借契約を締結し、物件を使用するに至っています。サブリースに対するこの転借人の信頼に鑑み、サブリースの場合には賃借人が更新拒絶してもなお、転借人は物件を引き続き使用できるとされています(最高裁判所平成14年3月26日判決)。

不動産所有者が物件の有効利用を検討する際には、サブリースに関するこれらの法的な取扱いについても十分勘案する必要があるでしょう。

執筆者

元榮 太一郎 代表弁護士

元榮 太一郎 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

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