行うべき対応としては、賃借人に電話連絡をする、訪問する、手紙を送る、連帯保証人に連絡する等、様々なものが考えられますが、重要なのは賃借人の性格、人となりに応じてこれらの方法の中から最も効果的だと思われる方法を選択することです。

通常であれば、賃借人に電話連絡をするという方法が最も効果が高いといえますが、普段から賃借人と顔を合わせていて電話ではいいづらい場合には、メモ書きをポストに入れておく等の方法でも構いません。

督促をするというのはあまり気持ちのよいものではありませんし、すぐには行動しづらい印象があるかもしれませんが、家賃滞納の初期段階では、冒頭に「行き違いがあれば申し訳ありませんが・・」と一言そえればいい出しやすくもなり、感情的なトラブルにも発展しにくくなります。

家賃滞納の翌日

家賃滞納の翌日は、すぐに賃借人に連絡し、入金が確認できていないことを伝えましょう。もし、電話連絡をしてもつながらない場合には、賃借人の郵便ポストに手紙を投函する方法でもよいでしょう。この場合には、入金が確認できていないことに加え、連絡が欲しいことも伝えましょう。

賃借人と連絡がとれた場合には、今日すぐに入金できるかどうかを確認しましょう。すぐの入金がむずかしいといわれた場合には、入金がむずかしい理由を具体的に聞いて、遅くとも滞納日から1カ月以内の日を入金日として設定し、できれば書面等で約束を取り付けましょう。入金の約束もせずに、だらだらと滞納を認めるような対応は避けてください。

家賃滞納から2日経過後

賃借人に何の連絡もとれずに、家賃滞納から2日が経過した場合は、普通郵便で構わないので、賃料を支払ってほしい旨を記載した書面を送付するようにしましょう。

この際、後日証拠として利用することも考え、コピーをとっておきましょう。また、この段階で、連帯保証人に対し、「賃借人から賃料の支払いがない。賃借人と全く連絡をとれなくて困っているので協力してほしい。」旨を伝え、連帯保証人に協力してもらうという方法も有益です。

賃借人が賃料を長期間支払わなかったので、気になって賃貸物件へいったところ、既に夜逃げをしている状況だった、なんていうこともあります。そこで、時間的に余裕があれば、賃貸物件に直接いって、郵便ポストの状況や電気メーター・ガスメーターの稼働状況等を確認することをお勧めします。

家賃滞納から7日経過後

賃借人に何の連絡もとれずに、家賃滞納から7日が経過した場合は、再度普通郵便で、入金が確認できていないので賃料を支払ってほしいことと、連絡がほしいことを記載した書面を送付しましょう。

それとともに、連帯保証人にも連絡して、「もしかしたら賃借人が賃料を支払えないかもしれない。賃借人と連絡をとれなくて困っているので、引き続き協力してほしい。このまま賃料が支払われないと、連帯保証人に賃料を支払ってもらわざるをえなくなる。」旨を伝えましょう。

家賃滞納から14日経過後

賃借人に何の連絡もとれずに、家賃滞納から14日が経過した場合ですが、普通郵便で構わないので、再度、賃料を支払ってほしい旨を記載した催告書を郵送しましょう。

これに加え、連帯保証人に対し、「催告書を再度発送しました。これに対し賃借人から何の反応もない場合には、連帯保証人に賃料を支払ってもらうことになるので、支払いの準備をしてほしい。」旨の連絡をすることも検討すべきです。

このようなことを連帯保証人に伝えることで、賃貸人が本気であることを連帯保証人も理解します。そして、連帯保証人から賃借人に対してプレッシャーをかけてもらうことで、賃借人から任意に支払ってもらえる可能性も高まります。

ただ、この期間までに賃借人から何らの連絡もない場合には、賃貸人としても、滞納が長期化することについて、あらかじめ覚悟しておいたほうがよいでしょう。

初期対応をすることで得られる3つの効果

家賃滞納の初期段階で適切に対応することで、主に3つの効果が得られます。

滞納の早期解消

素早い対応をすることにより、賃借人に心理的なプレッシャーを与えることができ、かつ、賃借人に連絡がとれないという事態を未然に防止することができるので、結果として滞納の早期解消が期待できます。

滞納の再発防止

家賃滞納の初期段階で適切に対応することで、賃借人に滞納癖がつくことを防止することができ、結果として再発防止が期待できます。

連帯保証人や緊急連絡人との協力関係の構築

家賃滞納の初期段階でも連帯保証人や緊急連絡人と密に連絡をとることで、後日、滞納が長期化した場合でも連帯保証人や緊急連絡人の協力が得られやすくなります。

ただし、この段階で連帯保証人や緊急連絡人に連絡する場合のポイントとして忘れてはならないことは、あくまでも「協力を仰ぐ」というスタンスをとるということです。

この段階で連帯保証人や緊急連絡人に対して、家賃を立て替えてほしいという直接的な話をしてしまうと、今後の協力を仰ぎづらくなります。

逆に、この段階で連帯保証人や緊急連絡人と良好な協力関係を築き、味方につけることができれば、今後滞納が発生した場合にも賃借人をコントロールしやすくなります。

家賃滞納の初期段階では、連帯保証人や緊急連絡人を味方につけるという意識を忘れないでください。